自分はケトーシス状態?
ケトジェニックダイエットの基本は糖質の摂取を控えることで、身体をケトーシス状態へ持っていき維持することです。逆に言えばケトーシス状態にならなければ、それは糖質制限ダイエットとなり、ケトジェニックダイエットとしては失敗となってしまいます。
そのため身体がケトーシス状態になっているかを判断し、食事メニューなどを調整する必要がありますが、このケトーシス状態かどうかを確認するのは特にケトジェニックダイエットに慣れてないうちは難しい事です。
今回は自分がケトーシス状態になっているかを判断するための方法をご紹介します。
ケトジェニック食に切り替えて数日以上経っているか?
まず最初に確認したいのは、ケトジェニック食に切り替え数日以上経過しているか?ということです。身体の中にグリコーゲンが残っている状態では、グリコーゲンによる代謝が中心に行われるため、身体はケトーシス状態に入ってくれません。グリコーゲンの貯蔵されている量は個々人で異なりますが、普段しっかりと糖質を摂取している人ならおおよそ500gが貯蔵されているとされています。これはカロリーに換算すると2,000Kcalとなるため、まずはこのグリコーゲンがしっかりとエネルギーとして使い尽くされないと、身体は脂質をエネルギー源としてくれません。このためケトーシス状態に入るまでにはケト食に切り替えてから数日~2周間程度が必要とされています。
1日や2日でケトーシスに入ることは稀なので、まずはある程度の期間が経過してから、ケトーシスに入っているか判断することが大事です。
急速な体重の減少が始まっているか?
ケトーシス状態に入ると、体内の炭水化物が枯渇していくため、体内の水分量が減少します。これは体内に水分を保持するために炭水化物が利用されているため、炭水化物を摂取しないと身体から水分が抜けていくという状態です。
体内から余分な水分が排出されるため、ケトジェニックダイエットを始めて最初に体重が一気に減少するのは、脂肪が分解されたものではなく水分が抜けただけではあるのですが、これも一つのケトーシス状態になったことを判断する材料となっています。
ケト食を続けているのに体重が一向に変化しない場合は、まだ体内に余分な水分が残っている状態ともなるため、まだケトーシス状態になっていないと考えられます。
頭痛や倦怠感、眠気、尿量の増加、体臭の変化など身体の変化が起きているか?
多くの方は身体がケトーシス状態になる際に、何らかの身体の反応が起きることが多いといわれています。代表的なところでは軽い頭痛やいつも以上の倦怠感などです。他に普段以上に眠気が出る人もいれば、逆に目が冴えて眠りが浅くなる方もいます。
さらには炭水化物を摂取しないことで、体内に保持できる水分量が減るため、お手洗いが近くなり尿量が増加する、ということも起きがちです。またケトーシス状態に入ると体臭が変わってくるという方もいらっしゃいます。
こうした身体の中で何か変化が起きていることはケトーシス状態への切り替わりが作用していることもありますので、慎重に体調を観察することが必要になってきます。もちろん上手くケトーシス状態に入ると、こうした症状は治まってくることが多いので、この段階で不安になってやめてしまわないようにするとともに、あまりにも体調に影響が出た場合は躊躇せずに終了し、場合によってはクリニックの診察を受けるなどのフォローも必要だと覚えておきましょう。
このあたりがケトジェニックダイエットが難易度の高いダイエット方法のひとつと言われる所以ともいえます。
ケトスティックを使って尿中のケトン体を測定する
またわかりやすいケトーシス状態を判断する方法として、ケトスティックと呼ばれる試験紙に尿をかけ、ケトン体が生成されているかを判断する方法があります。ケトスティックはケトン体に反応して色が変わる試験紙で、通常のグリコーゲンによる代謝が行われている場合はなんの反応もありませんが、身体がケトーシス状態となりケトン体が生成されている状態だと試験紙の色が変わるというものです。色の濃淡でケトン体の含まれる量がわかります。これが濃い色に反応していればケトーシス状態に突入した、とひと目で確認することができます。ケトスティックは取り扱っているドラッグストアや薬局が少ないため、楽天やAmazonで購入するのが良いでしょう。
呼吸の中に含まれるケトン体を測定する
他にもケトンメーターなどと呼ばれる、呼吸からケトン体の生成を確認するための機械も販売されています。ケトスティックは使い捨てとなってしまうため、定期的にケトジェニックダイエットを実施される方はこうした機械を購入するほうが安上がりとなる場合もあります。
この機械はアルコール検知器のように、機械に息を吹きかけることでケトン体濃度を測定することができます。ただし安価で売られている機械は結果がケトスティックに比べてブレやすくなる傾向にあるため、そのあたりも加味して利用するようにしましょう。
正確に確認するためにはクリニックでの血液検査がおすすめ
ケトスティックやケトンメーターのように自宅で簡単にケトーシス状態を判定するものもありますが、正確性を求めるのであればクリニックでの血液検査が最も正確に状況を判定することができます。
すべてのクリニックでこうした血液検査に対応しているわけではありませんが、ダイエット外来や糖尿病の治療に力を入れているクリニックなどでは、当日その場での血液検査に対応しているケースが多いです。
この場合、保険が適応できない自由診療扱いとなってしまうため、1回の検査で1万円前後の費用がかかるのが相場となっています。血液検査の実施や保険適応についてはクリニックまでお問い合わせいただくのが確実です。
※海外からの輸入商品などで自宅で血液検査を行えるキットなども販売されていますが、危険を伴うことと結果が保証されるものではないので、なるべく利用しないようにしましょう。
ケトーシスからの離脱症状もチェック
ここまでケトーシスへの変化の確認方法を紹介してきましたが、反対にケトーシス状態からグリコーゲン代謝に戻る時に起こる身体の変化もわかっておくと、より確実性を持ってケトジェニックダイエットを実施できます。
まずは糖質を摂りすぎてしまった、という食事からしばらく経つと身体の代謝があがることで汗が多く出たり軽い微熱が出てくるといった変化が起きる事が多いとされています。またインスリンの上昇と下降による急激な眠気なども、ケトーシス状態の終了の合図となることも多いとされています。
ケトーシス状態への変化を捉えケトジェニックダイエットを使いこなそう
ケトジェニックダイエットはケトーシスを維持するダイエットなので、今の身体がケトーシス状態かどうかを判断することはケトジェニックダイエットを行ううえで非常に重要となってきます。
何度かケトジェニックダイエットを行うと、体感や体重の減り方で自分がケトーシス状態が判断できるようになってきますが、特に初めてケトジェニックダイエットを行う場合はこの見定めが非常に難しいところだと思います。
ご紹介したケトスティックなどのわかりやすく確認できる物も活用し、正しくケトーシス状態を判定して、しっかりとしたケトジェニックダイエットを行うようにしていきましょう。
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